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同事摂修練会

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同事摂修練会サイト(2005 年、韓国語)からの翻訳

同事摂という言葉は仏教の四摂法、すなわち「布施摂、愛語摂、利行摂、同事摂」中の一概念です。四摂法というのは菩薩が衆生に向けて、ときには施しをもって、ときには慈愛に満ちた言葉でもって、あるいはためになることをして(利行摂)、ひいては彼らと喜怒哀楽を共にして生きる(同事摂)態度を言います。この同事摂修練会では, 同事摂の概念として四摂法中の同事摂の意味を基本にしながらも、布施、愛語、利行のすべてを一緒にしています。そして、世の中の有情無情の一つひとつがそれぞれ宇宙の主人公であり、それぞれが平等に一団となってお互いに影響をおよぼしあうときにのみ存立することができる、すなわち宇宙全体が一生命体であるという一体思想を も含めて使っています。

1980 年の冬、全羅南道康津郡城田面にある無為寺で李在化先生をファシリテータに迎え、修練生17人で 4泊 5日間の特別ミーティング(同事摂修練会)を開きました。修練会の名前は10回までは T グループ ワークショップ (Training Group Workshop)と呼びました。仏教界の元老である正照和尚がこの修練会に何回か参加してくださってからは、お寺で僧侶が指導する修練会だから私たちの感覚にもあうし、修練会の意味も包括している「同事摂」という名前がよさそうだと言われ、同事摂法 会と呼ばれるようになりました。そして、2003年 2月に社団法人「同事摂」が設立されたことを受けて、以後、同事摂修練会と呼ぶようになりました。

同事摂修練会(以下、略して「修練会」と称します)を開催するようになったきっかけは、アメリカのカール ロジャース(Carl Rogers)が開発したエンカウンター グループである T グループ ワークショップが全羅南道中高等学校カウンセラー教師を中心に夏、冬休みごとに光州市で開催されたのですが、その修練会に本社団法人の理事長、龍陀師が三回参加して見てこのグループ学習 がたいへん意義深いということを見出したことからです。

1971年冬休みに全羅南道中高等学校教職員のほとんど全員が、日本からこの修練法を持ち込んだカン ヨハン先生((当時、全羅南道高等学校校長)を中心的ファシリテータとしてカトリック ピジョン センターで3泊4日のワークショップを持ったことが初めての経験で、その次の年にやはりカトリック ピジョン センターで全羅南道の中高等学校カウンセリング教師ら中心の3泊4日のワークショップに参加したことが二回目でした。1974年3月に教職をやめて再入山(大学3年生の時である1964年夏に光州のツガン 寺で清華大禅師を恩師として僧になっていました)した後、5年ほど経った1979年にカウンセリング教師らによるワークショップに参加したことが三番目の経験でした。この時、ワークショップの場を修道場 という意味で解釈したことが、これまで集団学習を行うようになったきっかけになったのです。

同事摂修練会の母胎と言える Tグループ ワークショップ( Training Group Workshop)について伝え聞くままに略述します。敬虔なクリスチャンだったアメリカの心理学者カール ロジャース(Carl Rogers)が大学時代から中国旅行をするようになり、中国の精神文化、とくに老荘思想と禅仏教などに出会って彼の内面に新しい意識がめばえるようになったとのことです。東洋的精神体験に魅力を感じた彼は集団的に東洋的霊性体験をさせるための方法としてエンカウンター グループ学習法を開発するようになりました。これがアメリカで大きな人気を集めるようになるや、日本の伊藤博という心理学者がこのロジャースのエンカウンター グループ学習法を日本に輸入しました。そして、日本でも大きく受け入れられるようになり、伊藤博からカン ヨハン校長が全羅南道教育界にエンカウンター グループを導入して全羅南道カウンセリング文化に新風を起こすようになったのです。

カン ヨハン校長が全羅南道カウンセリング界にロジャースのエンカウンター集団学習法を取り入れた後、全羅南道のカウンセリング界ではカール ロジャースの技法がカウンセリング学の基本に思われるほど流行した時がありました。「積極的傾聴」や「共感的理解」といった言葉がロジャース シンドロームとして使われたりしました。同事摂修練会の出発はロジャースのエンカウンター グループ(Encounter Group :真実の出会いグループ)である見ることができます。

本社団法人の理事長、龍陀師は智異山百丈庵の住職を任される前は、前の住職ソン ボン和尚に了解を求めて摂心のない期間を利用して数回、そしてムアンにある長寿院というお寺で二度ほど修練会を開催しました。百丈庵の住職を引き受けるようになった1984年からは回数を増やし、2、3年たつにつれ毎月1回(夏休み、冬休み中には2、3回)ずつ開催して、一年に15回ほど修練会を持 つようになりました。百丈庵から移るようになった1992年からは、今の修練場である三同院で主に学期休みを利用して一般過程2回、中級過程、高級過程それぞれ1回の修練をして(機関などでチームを作って要請する場合の特別修練会も1、2度あります)、年に約十数回の修練会を持っています。

修練会日数は, 3 泊 4 日 → 4 泊 5 日 → 5 泊 6 日と発展しました。

この修練会は 1980 年冬から 2005 年 3 月現在までに一般過程 186 回、中級過程 19 回、高級過程 9 回の合計 214 回開催してきました。この修練会初期はほとんど純粋 なエンカウンター グループでした。しかし、だんだんその性格が変わってきました。この修練会20年の歴史はプログラム変化発展の歴史です。幾度もの変化がありましたが、これらを 6 段階で分けることができます。

  1. 初期には純粋エンカウンターで、理論講義があまりなく、非構造的に心のうちをシェアしました。
  2. 形式の必要性を感じて、少しずつ構造的シェアの場に変化発展しました。
  3. 理論に必要性を感じて、少しずつ理論化が進みました。
  4. 自分で管理できない心はシェアされたところで共同体の成熟にさほど助けになりそうにない ということがわかってきて、シェアする以前に心を自己管理するという(心扱う)ことにもっと取り組むようになりました。
  5. 心を自己管理することの究極はやっぱり一切のエゴを切りすて心が解脱しなければならないということで、超越冥想 (訳者注:TMとは関係ありません) のワークが加えられるようになりました。
  6. 全体修練過程を概念的に明確に現わす必要を感じて 2002 年下半期からは生きることの五大原理(訳者意訳:しあわせの五大原理) [正体・大願・修心・和合・作善の原理]を修練過程に組み込みました。

現在は「生きることの五大原理」を学習主題にしながら、意識の展開過程を日常生活において至人の水準まで 成長させるよう理論と実習の体系を修練に展開しています。

(翻訳文責:妙空)